Ethnography

エスノグラフィー

エスノグラフィーは、定性的なカスタマーリサーチの代表的な方法の1つです。オフィスにインタビュー対象者を招き、予め用意した質問をするのとは逆に、生活者がブランドと関わる生活環境、例えば家に入り込み、観察や無駄話を含めた傾聴、疑似体験などをすることが特徴です。生活者が言語化できないことも含めた膨大な情報からインサイトを発見することを得意としています。

エスノグラフィーによるインサイトがイノベーションとして結実した具体例としては、Apple 社の iPod や任天堂の Wii が有名です。消費財でイノベーションを数多く生み出している P&G は、ブランドマネージャーを生活者の家にしばらく住まわせるという徹底ぶりで、そこから得られたインサイトから「ダウニーシングルリンス」などのヒット商品が生まれています。

エスノグラフィーの歴史

エスノグラフィーは、『西太平洋の遠洋航海者』で有名なブロニスワフ・マリノフスキ(Bronisław Malinowski)が、ニューギニア諸島の未開民族の「クラ」と呼ばれる交易を対象に贈与の意味を探った際の方法を起源とする文化人類学の手法で、「フィールドでの現象を記述しモデル化する方法」と定義できます。

多くの先進国で需要が満たされ、プロダクト(製品・サービス)がコモディティ化し、イノベーションが強く求められるようになったことで、人間中心デザインを重視した先進的な企業によりエスノグラフィーはビジネスにも応用されるようになりました。世界的に影響力のあるコンサルティング会社 IDEO が「デザイン思考」というイノベーションの方法論にエスノグラフィーを取り入れたこともあり、ビジネス界にも広く浸透したというのが大まかな経緯です。

消費者インタビューの限界

一般的な消費者インタビューでは”発言”のみを対象とするため、次の2つの理由からミスリーディングを引き起こしやすいことが知られています。

1つ目は、人間の多くの意思決定が無意識でなされているために、本人(の意識)も理由がわからないことが多く、回答をでっち上げるということです。『心脳マーケティング』で有名なジェラルド・ザルトマン(Gerald Zaltman)は人間の意識の95%は潜在化していると報告しています。

2つ目は人間が見栄を張る生物であるために、本当は"なんとなく"感情的に決めたのに、理性的に見られようとして機能的理由を答えるというものです。現実には、多くの消費者が機能的便益ではなく情緒的便益や自己表現便益で購買するにも関わらず、企業が消費者の発言をそのまま信じて間違った戦略をつくる例はよくある失敗で、モダンブランディングの父と呼ばれるデービッド・アーカー(David A. Aaker)は、この現象を「製品属性に執着する罠」と呼んでいます。

また、『イノベーションのジレンマ』で有名なクレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)が『ジョブ理論』で明らかにしているように、イノベーションを生み出すには生活者の文脈を知ることが必須となります。なぜなら、イノベーションとは、新しいプロダクトが生活の文脈に新たに組み込まれることだからです。しかし、一般的な消費者インタビューでは、消費者が普段の生活から切り離されてしまうため文脈を十分に知ることはできません。

対してエスノグラフィーでは、生活者の文脈に入り込み、敢えて非効率な方法で”行動”を重視しながら情報を得ていくため、効率主義を背景とする定量的なアプローチではこぼれ落ちる情報を文脈に紐付けたリッチな状態で得られるため、効果的なブランドポジショニングあるいは、イノベーションのコンセプトをデザインするうえで有益なインサイトを得られる確率が高まるのです。

Cantasのエスノグラフィー

エスノグラフィーのデメリットとして、観察や質問の仕方に暗黙知が求められる点、表面的な情報を考察しモデル化する抽象化の思考力が求められる点がありますが、Cantasでは、デザイン思考を広めたIDEOのパートナーであるトム・ケリー(Tom Kelly)がエグゼクティブフェローを務める、東京大学i.school の修了生で、これまでに数多くのエスノグラフィーの経験とモデル化の訓練を経ているメンバーがエスノグラフィーを担当し、インサイトを導き出します。

Solution

マーケットリサーチ

市場や業界、PEST(政治・経済・社会文化・テクノロジー)といったコントロールできない外部環境をイシュードリブンで効率よく分析し、持続的成長を実現するブランドデザインに欠かせないマーケット情報を整理します。

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競合リサーチ

消費者の生活の文脈における提供価値から競合を捉え直し、イシュードリブンで競合のブランディングを効率よく分析することで、効果的なブランディング戦略をデザインするのに欠かせない競合構造を整理します。

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カスタマーリサーチ

カスタマーのライフスタイルや価値観を理解し、効果的なセグメンテーションやポジショニング、コミュニケーションのためのカスタマー情報を整理するとともに、有効なチャネルやカスタマージャーニーを明らかにします。

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クライアントリサーチ

ブランドマネジメントの主体であるクライアント組織の経営資源やブランドストーリー、コミュニケーション変遷、組織構造などについて把握し、ブランドの本質を維持したブランディング戦略をデザインする足場をつくります。

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エスノグラフィー

定量調査ではこぼれ落ちてしまう情報を文脈に紐付いたリッチな状態で得て抽象化やリフレーミングすることで、ブランドポジショニングあるいはイノベーションのコンセプトの足場となるインサイトを導き出します。

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ウェブサイトリサーチ

アナリティクスツールを用いたビッグデータ解析の定量アプローチと、ヒューリスティック評価による定性アプローチを組み合わせ、ブランディングとデザインの2つの観点からウェブサイトに関するインサイトを導き出します。

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Process

リサーチから企画、戦略、デザイン、実装、伝達までトータル支援。

Strategy Design

Product Design

  • Design Research

    エスノグラフィーやデスクリサーチから顧客のニーズやブランド連想を総合的に把握し、ブランドデザインの基礎をつくります

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  • Brand Design

    中長期的に利益を最大化するブランドコンセプトを再定義または整理し、戦略やロゴ、タグラインなどをデザインします

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  • UX Design

    ブランドコンセプトを実現するための顧客体験(UX)を積み重ねる、カスタマージャーニーやウェブサイトをデザインします

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  • Digital Engineering

    UXデザインを、適切なモダンテクノロジーによって論理的かつ美的なウェブサイトに具現化し、ブランドコンセプトを伝えます

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  • Digital Marketing

    コンテンツマーケティングやデジタル広告により集客したり、ウェブサイトを定量・定性の両観点から分析し、改善をデザインします

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Cantasさんに依頼して本当に良かったです。というより、Cantasさんに頼んでいなかったら、ヤバかったなと感じています。ずっと、どうすれば集客できるか試行錯誤してきましたが、Cantasさんのおかげで、集客するために必要なことがわかりました。実際にお客様からのご予約も相次いでいて、こんなにも成果が出るのかと驚いています。本当にありがとうございます。

Jun Miyazaki, Vice President, Cuorehome

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How can we help you?

私たちはその場しのぎを嫌い、目的に対して本質的な問題を見極め、持続的成長につながるようにそれを解決します。2019年にCantasがトータル支援したクライアントの平均集客増加率はおよそ6倍*という結果になりました 🙌

現在、多数のご依頼を頂いており、これからご依頼頂いた場合のプロジェクト開始時期が3月後半以降となる見込みです。誠に申し訳ありませんが、ご理解どうぞよろしくお願いいたします。

* クライアントそれぞれのコンバージョン変化率の平均近似値として算出