Purpose Design

パーパスデザイン

パーパス(purpose)とは、ブランドまたは組織の存在意義あるいは存在目的のことで、基本的に長期的に不動であり、憲法あるいはDNAに似たものです。パーパスを定義することで、ブランディングに一貫性が生まれ、組織が強くなり、ブランドエクイティを向上できます。パーパスに似た概念としては、ミッション、経営理念、経営哲学、綱領、社是などがあります。

パーパスの具体例

Cantasではパーパスを「断言型パーパス」と「約束型パーパス」の大きく2つに分類しています。断言型パーパスとは、主に「〜する」という形式で表されるパーパスで、ミッションとして定義されているものの多くがこれに当たります。約束型パーパスは、主に「〜します」という形式で表されるパーパスで、経営理念として定義されているものに多く見られます。断言型の方が求心力が強いため、約束型を断言型に翻訳するだけでも価値があります。

断言型パーパス

  • To accelerate the world’s transition to sustainable energy. / 持続可能なエネルギーへの世界レベルでの移行を加速させる(TESLA)
  • We’re in business to save our home planet. / 私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。(Patagonia)
  • To bring inspiration and innovation to every athlete in the world. If you have a body, you are an athlete. / 世界中のすべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションを届ける。身体があるなら、あなたはアスリートだ。(NIKE)
  • 当会社は、「毎日の料理を楽しみにする」ために存在し、これをミッションとする。世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する。(クックパッド)
  • デザインの力を証明する(Goodpatch)

約束型パーパス

  • A Better Life, A Better World. 私たちパナソニックは、より良い暮らしを創造し、世界中の人々のしあわせと、社会の発展、そして地球の未来に貢献しつづけることをお約束します。(Panasonic)
  • 私たちは、「はかる」を通して世界の人々の健康づくりに貢献します。(TANITA)

なぜパーパスなのか

冒頭で、パーパスを定義することで、ブランディングに一貫性が生まれ、組織が強くなり、ブランドエクイティを向上できるとお伝えしましたが、この点についてもう少し詳しく説明します。

サイモン・シネック(Simon Sinek)の「ゴールデンサークルモデル」では、組織の資源を「WHY」「HOW」「WHAT」の3つに分解して下図のように円として捉えます。円の外側から説明すると、WHATはパーパスを具体化したプロダクト(製品・サービス)、HOWはマーケティングやファイナンス、デザインなどの手段、そしてWHYが組織の存在意義、つまりパーパスに相当すると整理できます。WHATやHOWは理性的な大脳新皮質で処理されるのに対し、WHYは感情を司る大脳辺縁系に訴えかけます。そのため、組織がWHYであるパーパスを発信することで共感を呼ぶことができるのです。

The Golden Circle. The Image from https://www.smartinsights.com/digital-marketing-strategy/online-value-proposition/start-with-why-creating-a-value-proposition-with-the-golden-circle-model/
The Golden Circle

また、2025年には労働人口の75%がミレニアル世代になるとの人口動態予測があります。ミレニアル世代は衣食住などの基本的な生活が充足した環境で育った世代であるため、消費者としては単なるラグジュアリーやステータスよりもパーパスを、労働者としては金銭的インセンティブよりもパーパスを重要視する傾向が強いです。したがって、パーパスを定義しなければ、これからのミレニアル世代が中心となる時代に消費者に選ばれるブランドになる、あるいはミレニアル世代の優秀な人材に選んでもらうブランド(組織)になることは今以上に困難になります。

マネジメントを発明したピーター・ドラッカー(Peter Drucker)は、1973年に出版された『マネジメント』の中で、社会と企業の関係について次のように述べています。

企業は、社会と経済のなかに存在する被創造物である。社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのであり、社会と経済が、その企業が有用かつ生産的な仕事をしていると見なすかぎりにおいて、その存続を許されているにすぎない。

ドラッカーは、社会的責任に関する目標、すなわちパーパスは、単なる善意のアピールではなく、企業の戦略に組み込まれなければならないものだと主張しています。私たちも、クライアントがブランドの持続的成長を目的とするのであれば、ドラッカーの主張は正しいと考え、パーパスのデザインを重要視します。

パーパスデザイン

Cantasのパーパスデザインのプロセスを一般化すれば次のようになります。

  1. クライアントリサーチ
  2. STPの確認
  3. アイディエーション
  4. フィルタリング
  5. 決定
  6. インターナルブランディング

まずは、主に(ブランドあるいは企業の)創業メンバーを対象とするクライアントリサーチを行います。一般に事業は、ある特定のニーズを満足させる形で実行されるため、事業開始時にパーパスが定義されていることは多くありません。しかし、創業メンバーに事業(ブランド)を立ち上げるに至った経緯やこれまでの経営の中で考えたことなどのブランドストーリーについて入念にヒアリングしていくと、必ず、そのブランドと社会との接点が見えてきます。ヒアリングと言語化に優れたメンバーがリサーチすることで、パーパスデザインにおいて最重要であるインサイトを発掘します。

パーパスデザインよりも先にSTP戦略デザインを終えている場合は、STPを確認することは重要です。パーパスがSTPに矛盾していれば、どんなに魅力的なパーパスを言葉にできてもブランディングの障壁となってしまうためです。

アイディエーションでは、クライアントリサーチで得たインサイトを立脚点としてブレインストーミングし、質より量を重視してアイデアを数多く生み出します。

フィルタリングでは次のような点を評価し、アイデアを絞っていきます。

  • STPやネーミングなどのブランド要素との一貫性
  • コーポレートパーパスとプロダクトパーパスの整合性
  • ブランド要素のフレームワークに含まれる6つの基準
  • ブランドらしさ

経営理念には過度に一般化あるいは抽象化されすぎ、ブランドらしさが失われてしまっていることが多いです。例えば、上述のパナソニックのパーパスからブランド名(パナソニック)を除いたとしたら、それがパナソニックのパーパスであると当てられる人はそう多くはないでしょう。パナソニックというブランドの事業領域は非常に多岐に渡っているためパーパスデザインの難易度は最高レベルではありますが、抽象化されすぎており、最善なパーパスではないことだけは確かでしょう。ブランドストーリーやブランドポジショニングに一貫し、ブランドらしさが表現される適当な抽象度の言葉の組み合わせを創造的に見つけるのが、パーパスをデザインする人の腕の見せ所です。

それからパーパスは言語化して終わりとはいきません。宗教が信者に対して儀式として習慣を義務づけるように、ブランディングの一般的な意味である消費者に対するブランディング、エクスターナルブランディング(external branding)に対比した、社内向けのブランディングを指すインターナルブランディング(internal branding)を実行することが重要です。インターナルブランディングを実行しないと、パーパスが単なる言葉の飾りとなり、いずれ力を失ってしまいます。残念ながらインターナルブランディングの重要性を知らないがために、無駄なコストをかけて飾っただけのミッションや経営理念はあふれています。

インターナルブランディングの具体例としては、パーパスを人間が理解し共感しやすい物語の形式に表現し直すストーリーテリング(storytelling)や、スローガンやロゴのようなブランドアイデンティティへの反映、パーパスに一貫した人事評価制度や採用基準への変更、パーパスを行動に結びつける習慣のデザインなどが重要です。

Solution

パーパスデザイン

ブランドストーリーやブランドポジショニングに一貫したブランドの存在意義を、ブランドらしさとブランド拡張の柔軟性のトレードオフにおいて適切な抽象度の言葉の組み合わせとしてデザインし、ブランドの確固たる核をつくります。

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バリューデザイン

最強の競争優位性をもたらす強い企業文化を築くために、ブランドをマネジメントする組織で暗黙のうちに共有されている価値観を丁寧なリサーチで掘り起こし、適切な言葉の組み合わせでバリューを表現し、組織内に浸透させます。

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STP戦略デザイン

新しいカテゴリーを創造するポジショニングと、意味のあるセグメンテーションとターゲティングの戦略をリサーチに基づきデザインすることで、競争から脱出し、比較せずに選ばれる真のブランドへの基礎をつくります。

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ネーミング

最重要なブランド要素であるブランドネームを、ブランディング論の知見を交えながら戦略的に決定し、マーケティングROIを高め、将来のリネーミングコストのリスクを減らすことで、ブランドの成功確率を大きく高めます。

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スローガンデザイン

ブランドネームやロゴと同程度に重要でありながら見過ごされがちなブランドスローガンを、ブランディング論の知見を交えながら戦略的にデザインし、持続的成長を実現するブランドエクイティの構築に貢献します。

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ロゴデザイン

視覚的にブランドを伝えられるロゴを、ブランディング論とデザイン思考の知見を掛け合わせながら創造的に生み出し、持続的成長を実現するブランドエクイティの構築に貢献します。

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Process

リサーチから企画、戦略、デザイン、実装、伝達までトータル支援。

Strategy Design

Product Design

  • Design Research

    エスノグラフィーやデスクリサーチから顧客のニーズやブランド連想を総合的に把握し、ブランドデザインの基礎をつくります

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  • Brand Design

    中長期的に利益を最大化するブランドコンセプトを再定義または整理し、戦略やロゴ、タグラインなどをデザインします

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  • UX Design

    ブランドコンセプトを実現するための顧客体験(UX)を積み重ねる、カスタマージャーニーやウェブサイトをデザインします

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  • Digital Engineering

    UXデザインを、適切なモダンテクノロジーによって論理的かつ美的なウェブサイトに具現化し、ブランドコンセプトを伝えます

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  • Digital Marketing

    コンテンツマーケティングやデジタル広告により集客したり、ウェブサイトを定量・定性の両観点から分析し、改善をデザインします

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Cantasさんに依頼して本当に良かったです。というより、Cantasさんに頼んでいなかったら、ヤバかったなと感じています。ずっと、どうすれば集客できるか試行錯誤してきましたが、Cantasさんのおかげで、集客するために必要なことがわかりました。実際にお客様からのご予約も相次いでいて、こんなにも成果が出るのかと驚いています。本当にありがとうございます。

Jun Miyazaki, Vice President, Cuorehome

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How can we help you?

私たちはその場しのぎを嫌い、目的に対して本質的な問題を見極め、持続的成長につながるようにそれを解決します。2019年にCantasがトータル支援したクライアントの平均集客増加率はおよそ6倍*という結果になりました 🙌

現在、多数のご依頼を頂いており、これからご依頼頂いた場合のプロジェクト開始時期が2月後半以降となる見込みです。誠に申し訳ありませんが、ご理解どうぞよろしくお願いいたします。

* クライアントそれぞれのコンバージョン変化率の平均近似値として算出