STP Strategy Design

STP戦略デザイン

STPとは、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー(Philip Kotler)が提唱したとされる、古典的なマーケティング戦略の代表的なフレームワークで、次の3つを指します。

  • Segmentation(セグメンテーション)
  • Targeting(ターゲティング)
  • Positioning(ポジショニング)

私たちは、STPの重要性はデジタル時代にも何ら変わらない、というより重要性は増していると考えます。なぜなら、デジタルにより消費者の価値観や行動はますます多様になり、生み出される情報も人間の情報処理能力をはるかに超えて生み出され続けるようになったため、STPの戦略を定義せずに考えなしで実行されたブランドは一瞬にして情報の渦に飲み込まれ忘れ去られてしまうためです。

10年前には適切だったSTPも時間が経てば、「ターゲットである消費者に見向きされない」あるいは「ゼロサムゲームの競争に陥っている」というような不適切なSTPになってしまうことはよくあることです。私たちは、リサーチから導き出したインサイトから適切なSTP戦略をデザインし、持続的成長に向けて、ブランドに方向性を与えます。

以下、STPの順に解説しますが、私たちのSTP戦略のデザインは、コトラーが提唱したように一方向的ではなく、デザイン思考的に往復したり、ポジショニング起点でセグメンテーションとターゲティングを行うこともあります。

セグメンテーション

セグメンテーションとは、カスタマー(あるいはカスタマーの集合としてのマーケット)をブランドの成長に適うように分類し細分化することです。

マーケットが拡大し続けている時代であれば、需要が供給を上回るため、実はマーケティングに失敗していても、見かけ上の売上は伸びていく確率は高いです。しかし、マーケットが停滞あるいは縮小している時代には、供給が需要を上回るため、適切なマーケティングを実行できなければ売上も縮小する確率が高くなります。

効果的なセグメンテーションを行うためには、消費者への共感と理解が重要であるため、セグメンテーションの前にはカスタマーリサーチが必要となるのです。日本のガラケーが崩れ去ったのは、消費者の内なる声に耳を傾けるのではなく、カメラの解像度など競合との同一軸上での消耗戦に終始したためと考えられます。

リサーチから導き出した消費者インサイトを拠り所に、ターゲティングを意識しながらセグメンテーションを試みます。私たちは、その際のセグメンテーションの次元として少なくとも次の5つがあり、目的に応じて適切な次元を選択あるいは創造的に組み合わせることが重要だと考えています。

  • 人口統計的(demographic):e.g., 男性/女性
  • 地理的(geographic):e.g., 都市/郊外
  • 心理的(psychographic):e.g., インドア/アウトドア
  • 行動的(behaivioural):e.g., ノンユーザー/ライトユーザー/ヘビーユーザー
  • 状況的(situational):e.g., オンライン/オフライン

ターゲティング

ターゲティングとは、セグメンテーションにより生まれた複数のカスタマーグループ、セグメント群から、ブランドの成長などを目的としてブランディングROIが最大化されるセグメントを選択することです。ブランディングROIが最大化されるかどうかは、次の主に6Rと呼ばれるフレームワークを判断基準として用います。

  • Realistic Scale(有効な市場規模)
  • Rate of Growth(成長性)
  • Ripple Effect(波及効果)
  • Reach(到達可能性)
  • Rival(競合状況)
  • Response(反応の測定可能性)

ターゲティングでは、1つのセグメントを選択して終わることもありますが、タッチポイントごとに異なるセグメントを選択したり、あるセグメントをさらにセグメンテーションして、それら2層目のセグメント群をタッチポイントごとに選択することで、より効果的にブランディングを実行できます。

ポジショニング

ポジショニングとは、カスタマーにとって価値のある新機軸を発明し、比較されずして選ばれる状態にすることでブランドの利益を最大化する、概念的な位置づけを定義することです。Cantasでは、ポジショニングをブランディングにおける最重要プロセスと位置づけています。解像度、暖房効率、糖度など何であれ、ある同一軸上で差を大きくすることに終始する「差別化」とポジショニングは質的に異なります。差別化は競争で勝つことを目的とするのに対し、ポジショニングは競争から脱出することを目的とするためです。

差別化ではなくポジショニングを重要視する態度には「競争は避けるべきだ」という前提が存在しています。ビジネスにおいて競争がなぜ悪なのかといえば、競争を選ぶのは、利益が減り続ける消耗戦でコモディティを運営していく道を選ぶことと等しいことが、経営学的研究から明らかになっている客観的事実だからです。多くのビジネスの目的は利益の増大ですが、その場合、論理的に競争は避けるべきという結論が導かれます。モダンブランディングの父と呼ばれるデービッド・アーカー(David Aaker)は、競争を脱して比較なしに選ばれる状態を作り出すことを「ただ望ましいというだけでなく、成長するためのほぼ唯一の道である。(中略)これは経済学の基本中の基本であり、売上と利益に本物の成長をもたらすチケットである。」と述べています。ペイパルマフィアの1人で世界で最も影響力のある投資家の1人であるピーター・ティール(Peter Thiel)は『ZERO to ONE』の中で「競争はイデオロギー」だと看破しています。

それでも、業界トップのブランドなら競争でもいいのではないかという反論がありそうです。確かに、短期的には競争でも利益は上げ続けられるかもしれません。しかし、クレイトン・クリステンセン(Clayton Christense)が『イノベーションのジレンマ』でビジネスにおける盛者必衰の理を明らかにしたように、いずれは破壊的イノベーションによりゲームをひっくり返されるのが自然の摂理です。したがって、ブランドポートフォリオのいくつかのブランドを競争から脱するようにポジショニングすることは必須だと言えるはずです。

これほど明確であるにも関わらず、多くのブランドが競争で勝つことに執着してしまう理由は2つ考えられます。1つは、スポーツや受験、就活など、人生の前半で競争に勝つことを目的とすることを刷り込まれてしまっており、新たな基準軸を自分で生み出すという発想がそもそも生まれないため。2つ目として、新たな基準軸を発明するより、すでに用意された評価軸上で勝ろうとする方が認知的負荷がはるかに小さく"楽"だということがありそうです。

ところで、ポジショニングと似た概念に「コンセプト」があります。コンセプトを直訳すれば「概念」ですが、ビジネスの文脈では「形容詞+名詞」で表現され、デザインやマーケティングなどのあらゆる活動を支配する核といった意味で使われます。Cantasでは、コンセプト(「形容詞+名詞」)を、ポジショニングの1つの表現形式であり、本質的に同じ概念として扱います。

ポジショニングとコンセプトのどちらの言葉を使うにしろ、重要なのは、それがカスタマーにとって価値があり、かつ競争のない次元にあるかどうかです。たとえば「檜のイス」というポジショニング(コンセプト)は、すでに競争相手がいるはずで不適切なポジショニングです。これを「髪の毛のイス」とすれば、日頃のインプットによる直感から、カテゴリーNo.1を狙えるポジショニングなのではと期待はできます。ここでもう1つ重要なのが、そのポジショニングがカスタマーにとって価値があるかどうかです。エシカルの文脈で訴求して需要を喚起できるかもしれませんが、髪の毛に対する生理的な嫌悪から求められない可能性もあります。後者の場合、このポジショニングも不適切ということになります。

もう1つポジショニングと近い概念にブランドビジョンがあります。ブランドビジョンとは、ブランドが獲得していくべきブランド連想の集合です。例えば、Patagoniaであれば、「エシカル(特に地球環境保護)」「高品質で丈夫」「自由」などが代表的なブランド連想として挙げられるでしょう。ブランドビジョンもポジショニングの1つの表現形式と言えますが、ポジショニングをブランドビジョンとしても表現しておくことで、ブランディング戦略の実行を一貫したものにしやすくなります。そのため、Cantasのポジショニングでは、ブランドビジョンの形式での表現を用いることも多いです。

以上、ポジショニングについて長くなってしまいましたが、簡略化すれば、ブランディングとは、マーケティングの古典『ポジショニング戦略』が強調する通り、机上にあるポジショニングをカスタマーの脳内に構築していく行為です。マーケティングミックス(4P)やブランディングプログラムといった実行はすべて、ポジショニングに支配される、いわば奴隷となることで強いブランドが築けるため、ポジショニングはとても重要なのです。

Solution

パーパスデザイン

ブランドストーリーやブランドポジショニングに一貫したブランドの存在意義を、ブランドらしさとブランド拡張の柔軟性のトレードオフにおいて適切な抽象度の言葉の組み合わせとしてデザインし、ブランドの確固たる核をつくります。

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バリューデザイン

最強の競争優位性をもたらす強い企業文化を築くために、ブランドをマネジメントする組織で暗黙のうちに共有されている価値観を丁寧なリサーチで掘り起こし、適切な言葉の組み合わせでバリューを表現し、組織内に浸透させます。

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STP戦略デザイン

新しいカテゴリーを創造するポジショニングと、意味のあるセグメンテーションとターゲティングの戦略をリサーチに基づきデザインすることで、競争から脱出し、比較せずに選ばれる真のブランドへの基礎をつくります。

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ネーミング

最重要なブランド要素であるブランドネームを、ブランディング論の知見を交えながら戦略的に決定し、マーケティングROIを高め、将来のリネーミングコストのリスクを減らすことで、ブランドの成功確率を大きく高めます。

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スローガンデザイン

ブランドネームやロゴと同程度に重要でありながら見過ごされがちなブランドスローガンを、ブランディング論の知見を交えながら戦略的にデザインし、持続的成長を実現するブランドエクイティの構築に貢献します。

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ロゴデザイン

視覚的にブランドを伝えられるロゴを、ブランディング論とデザイン思考の知見を掛け合わせながら創造的に生み出し、持続的成長を実現するブランドエクイティの構築に貢献します。

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Process

リサーチから企画、戦略、デザイン、実装、伝達までトータル支援。

Strategy Design

Product Design

  • Design Research

    エスノグラフィーやデスクリサーチから顧客のニーズやブランド連想を総合的に把握し、ブランドデザインの基礎をつくります

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  • Brand Design

    中長期的に利益を最大化するブランドコンセプトを再定義または整理し、戦略やロゴ、タグラインなどをデザインします

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  • UX Design

    ブランドコンセプトを実現するための顧客体験(UX)を積み重ねる、カスタマージャーニーやウェブサイトをデザインします

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  • Digital Engineering

    UXデザインを、適切なモダンテクノロジーによって論理的かつ美的なウェブサイトに具現化し、ブランドコンセプトを伝えます

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  • Digital Marketing

    コンテンツマーケティングやデジタル広告により集客したり、ウェブサイトを定量・定性の両観点から分析し、改善をデザインします

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Cantasさんに依頼して本当に良かったです。というより、Cantasさんに頼んでいなかったら、ヤバかったなと感じています。ずっと、どうすれば集客できるか試行錯誤してきましたが、Cantasさんのおかげで、集客するために必要なことがわかりました。実際にお客様からのご予約も相次いでいて、こんなにも成果が出るのかと驚いています。本当にありがとうございます。

Jun Miyazaki, Vice President, Cuorehome

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How can we help you?

私たちはその場しのぎを嫌い、目的に対して本質的な問題を見極め、持続的成長につながるようにそれを解決します。2019年にCantasがトータル支援したクライアントの平均集客増加率はおよそ6倍*という結果になりました 🙌

現在、多数のご依頼を頂いており、これからご依頼頂いた場合のプロジェクト開始時期が2月後半以降となる見込みです。誠に申し訳ありませんが、ご理解どうぞよろしくお願いいたします。

* クライアントそれぞれのコンバージョン変化率の平均近似値として算出